やさしく寄り添い、笑顔の花を咲かせたい。共同作業から生まれた唯一無二の作品

浦安市出身の書道家であり、「花咲く書道®(花書®)」の主宰でもある永田 紗戀(ながた されん)さん。永田さんの作品は“伝えたい言葉から生まれた絵のような書“です。色とりどりの花と作品に囲まれたアトリエで、永田さんにお話しを伺いました。

「掛け軸たとう」と「ポストカード」15枚のセット。月ごとに作品を変えることができ、暮らしの中に彩りを与えてくれます。
母子家庭で育ったという永田さん。戦争時代を生き抜いたお祖母様の影響で3歳から筆をもち、習字を習ったそうです。21歳の頃に師範免許を取得しましたが、その頃にはお祖母様の体調が思わしくなく、在宅介護をしながらデザインなどの仕事をしていました。当時は悲しい、苦しい、という心情をモノクロで表現していたそうです。

後年、娘さんの出産を機に作風が大きく変わります。「出産が桜の季節だったので初めて季節を作品にしたい。この世の中にはこんなにきれいな色があるんだよと娘に伝えたい」と、この頃から花でいっぱいの作品が生まれ、「花咲く書道®」が誕生しました。
気持ちが明るくなるように、ピンクのパレットもオリジナルで作ったものです。

浦安市にある「清瀧神社」の令和6年限定の御朱印も永田さんが手がけたもの。永田さんはもともと清瀧神社の近所に住んでいたこともあり、娘さんのお宮参りでも参拝するなど縁が深かったのだそうです。

永田さんと浦安市の「社会福祉法人なゆた」利用者MUSUHIのメンバーの方々が仕上げた作品「纏うMatou」(写真は「感謝」と「笑門来福」)。永田さんが描いたイラスト部分にスタッフが穴をあけ、なゆたのメンバーたちがひとつひとつの穴に糸を通し、とても華やかな世界観で一つの作品に仕上げています。

「社会福祉法人なゆた」と永田さんとの出会いは2014年の秋、「花咲く書道®」のワークショップがきっかけでした。自閉症などの障がいを持つ方々を受け入れている「社会福祉法人なゆた」では、コロナ禍に通常の作業がなくなり、代わりに和紙に刺繍をしていたのだそう。それを見た永田さんが「自身の作品に糸を纏わせてほしい」と提案したのが始まりでした。
「みんな自分のこだわりで好きな色をつけてくれる。純粋な子どものような気持ちで取り組んでくれるので、本物のアーティストだなと感じています」と、永田さん。

アトリエでは永田さんの体験レッスンを開催するほか、講師の育成にも力をいれています。また、年賀状やカレンダーのデザインを請け負うこともあり、全国の有名店で作品に出会うことも。
「日本の素敵な言葉を絵と一緒に楽しんでいただきたい。作品を飾っただけでその場が明るくなったり、さりげなく想いを伝えたり、日常に寄り添ってくれるといいなと思っています」
| 事業者 | 一般社団法人 花咲く書道協会 |
| 住所 | 千葉県浦安市北栄1-2-25 アドバンスビル4階 |
| 電話 | 047-351-7720 |
| 営業時間 | スクール開催は要問合せ |
| 電子メール | info.hanasho@gmail.com |
| URL | https://www.sarennagata.com |